当社は、11月8日、カナダの電力会社ハイドロケベック社(以下、HQ)向けに、架空送電線用の落氷雪対策品「LCスパイラル」を納入しました。海外における実線路へのLCスパイラル適用は今回が初めてとなります。受注金額は約25百万円。
LCスパイラルは、特殊な磁気特性を持った線材を電線に巻付けることにより、電線に流れる電流の一部を熱に変換し、この熱で着雪を融雪する着雪・落雪対策品であり、東京電力と共同開発したものです。LCは低キュリー点(Low Curie point=LC)を意味し、温度が高くなると磁気特性が低下し、発熱しにくくなることが特徴。そのため、夏の高温時は発熱量が小さく、冬の低温時は発熱量が大きくなり、電線の着雪を効率的に融かすことができます。これまで、国内の送電線では100径間以上の適用実績がありますが、海外での実績はありませんでした。
今回の案件はHQの要請を受け、08年から10年までの2年間、当社、HQ、東京電力の3社共同でケベック市郊外のモベラ試験線で自然着氷下における融氷効果の検証を実施し、有効性が確認されたことから実線路への適用となりました。適用箇所は、ケベック市の735kV送電線で、設置工事はHQと当社が共同で実施しました。HQでは、冬場送電線に発生する着氷対策として、機械的に氷を落とす方法などを採用していますが、そのような対応が困難な道路横断箇所などでの対策が課題となっていました。そこで、着雪・落雪対策品として日本で実績のあるLCスパイラルが採用されました。
当社ではLCスパイラルのほか難着雪リング、ねじれ防止ダンパ、難着雪テープなどの着氷雪対策品を扱っており、今後はこれらの製品の海外向け販売の拡大にも注力する方針です。 |